『黄金の人工太陽』(J・J・アダムズ:編、中原尚哉・他:翻訳) 2022年08月16日 SFアンソロジー ―――― SFとファンタジーの基本はセンス・オブ・ワンダーだ。そして並はずれたセンス・オブ・ワンダーを味わえるのは、超人的なヒーローが宇宙の命運をかけて銀河のかなたで恐ろしい敵と戦う物語だ。(中略) そんなノスタルジーと、マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のありえない(しかしとてもうれしい)成功に刺激されて、19… 続きを読むread more
『獣たちの海』(上田早夕里) 2022年05月19日 上田早夕里 ―――― 「我々は同じ海上民であっても、これほどまでに考え方が異なってしまった。おまえたちは陸の技術と価値観を受け入れて海の文化を捨てた。記憶まで捨てて都市に適応しようとした。いよいよ、世界の終わりが訪れるのだ。命を何よりも尊いと考えるなら、それも選択肢のひとつだ。おまえたちは、命の重みを一番に考えるがゆえにその生き方を選んだ。いまは… 続きを読むread more
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(アンディ・ウィアー:著、小野田和子:翻訳) 2022年03月22日 アンディ・ウィアー ―――― そして本書でも健在な作者の持ち味がもうひとつ。読んでいると自然にわくわく感が湧いてきて、ハラハラさせられるのも含めて楽しくなってくることだ。本書が『火星の人』の作者の新作という期待を裏切らないというのは、なによりもこの抜群のストーリーテリングのことである。 主人公も読者も、希望と絶望のあいだを何度となく往復させられつづ… 続きを読むread more