"読書(ファンタジー・ミステリ・他)"の記事一覧

『ある実験  一人選べと先生が言った』(両角長彦)

――――  石井は、実験について中平先生から聞き出そうとした。しかしはずみで先生を殺してしまったため、それができなくなった。それでもなお石井は、実験について知りたいと願った。中平先生の息子を誘拐し、人質にとってまで、なぜなんでしょう。この実験の何が、それほどまでに石井をひきつけるんでしょう? ―――― 文庫版p.71  …

続きを読むread more

『偶然仕掛け人』(ヨアブ・ブルーム、高里ひろ:翻訳)

――――  あらゆる選択には必然的に別のなにかをあきらめることが伴い、自分がなにかをどれだけ強く求めるかによって、その犠牲を払うための勇気が必要となる。なぜなら、つねに正しい選択をすることは不可能だからだ。ときどきは失敗するし、ときどきどころではなく失敗する。  その差はシンプルだ。幸福な人々は人生を見て選択の連続を見いだす。不幸な…

続きを読むread more

『肺都 アイアマンガー三部作3』(エドワード・ケアリー:著、古屋美登里:翻訳)

――――  なんという夢のような、めくるめく物語であることか。  全三巻を読み終えた方の多くが、アイアマンガーの物語に四巻目がないことにあらためて狼狽え、茫然としていらっしゃるのではないだろうか。訳者としても、これでクロッドとルーシーとお別れかと思うと残念至極であるけれども、こうして全巻が無事に刊行されたことに心から安堵している。 …

続きを読むread more