『Down Beat 23号』(柴田千晶、小川三郎、他)

 詩誌『Down Beat』の23号を紹介いたします。


[Down Beat 23号 目次]
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『夕ごはん』(谷口鳥子)
『浅草の紙漉き屋』『丸八』(廿楽順治)
『容の変貌』(徳広康代)
『猿轡』(中島悦子)
『くせ』(今鹿仙)
『富士見町』『日常のバランス』(小川三郎)
『川と森にはさまれた場所』『魚たちとの会話』(金井雄二)
『家魂 scece20』(柴田千晶)
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おつかいを頼んだのは誰だったか。そのひとの顔はぼんやりとしていて、いくら目をこらしても眉から頬のあたりが滲んでいてわからない。

「丸八には、
目が覚めてからでないとあなたは行かれない」

その声だけがはっきりしている。
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『丸八』(廿楽順治)より




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九月を認識できないのは
人間のふへん的なくせである
右を向く裸婦から次のページへ
とは去りがたく
いつまでも行ったり来たりしている
「こんな小国のために」といいながら
全員が何かを失おうとしている
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『くせ』(今鹿仙)より




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身体のバランスを保つ。
それだけのために
日々を費やす。

身体は大きく傾いて
重心もかなりずれている。
地面も平らではない。

それでもこうして倒れないまま
日常を過ごしているのは不思議だ。

時折責任を取らされる。
強く罵倒される。

親しかった人が離れていく。
それでも倒れないでいるのは不思議だ。
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『日常のバランス』(小川三郎)より全文引用

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