『亜宗教 オカルト、スピリチュアル、疑似科学から陰謀論まで』(中村圭志)

――――  ニューエイジであれ、カスタネダであれ、それらは呪術(超常体験を引き起こす技とされるもの)に対する期待感というか、親和性のようなものが非常に強いことを特徴としている。「意識の変革」「意識の進化」という大義のためには、何であれ常識から離脱することが求められており、呪術ないしオカルトはこれにうってつけのテーマだった。あるいは単に…

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『エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡』(エドワード・ゴーリー:編、柴田元幸:翻訳)

――――  ゴーリーは、典型的な幽霊屋敷ものや、悪趣味ギリギリの犯罪もの、秘術を上手く使ったミステリなどと混ぜることで、こういった作品の味を引き立たせることに成功し、アンソロジーという一冊の書物を読む愉しみを提供してくれている。しかし、全く根拠はないのだが、私には、ゴーリーが緻密な計算に基づいて本書を編んだとは思えない。むしろ、優れた…

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『大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界』(岡野原大輔)

――――  大規模言語モデルは、世界中の誰よりも多くの知識を備え、多くの仕事をタフにこなし、少なくともしばらくは急速に進化していくことが確実な人工知能システムである。しかし、人が共有している、命が有限であることや、家族や仲間がいることからうまれる価値観や正義感をもっていないこと、身体性をもつことから生じる世界の理解がないことに注意が必…

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