『量子革命 アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突』(マンジット・クマール:著、青木薫:翻訳) 2022年03月31日 その他(サイエンス) ―――― アインシュタインにとって物理学とは、観測とは独立した存在をありのままに知ろうとすることだった。アインシュタインが、「物理学において語られるのは、“物理的実在”である」と述べたのは、その意味でだった。コペンハーゲン解釈で武装したボーアにとって、物理学において興味があるのは、「何が実在しているか」ではなく、「われわれは世界につ… 続きを読むread more
『学術出版の来た道』(有田正規) 2022年03月24日 その他(教養) ―――― なぜ大学や研究所の図書館は高いと文句を言いながら学術誌を買い続けるのか。需要と供給のバランスはどうなっているのか。本書の目的は、この構造的な問題を歴史的な視点から説き明かすことにある。(中略)学術出版の世界は車やファッションとはまったく違う評価・価値体系になっている。学術誌のステータスやランキングは、350年を超える歴史を… 続きを読むread more
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(アンディ・ウィアー:著、小野田和子:翻訳) 2022年03月22日 アンディ・ウィアー ―――― そして本書でも健在な作者の持ち味がもうひとつ。読んでいると自然にわくわく感が湧いてきて、ハラハラさせられるのも含めて楽しくなってくることだ。本書が『火星の人』の作者の新作という期待を裏切らないというのは、なによりもこの抜群のストーリーテリングのことである。 主人公も読者も、希望と絶望のあいだを何度となく往復させられつづ… 続きを読むread more