『「役に立たない」研究の未来』(初田哲男、大隅良典、隠岐さや香、柴藤亮介:編)

――――  競争的資金には大きく分けると、研究者の自由な発想にもとづくボトムアップ型の研究費と、出口志向の強いトップダウン型の研究費があり、近年では、後者への投資が増えてきています。トップダウン型の研究費は、経済的価値につながる「役に立つ」研究分野に重点的に配分されることが多く、この「選択と集中」の施策については多くの研究者が疑問を持…

続きを読むread more

『ランチタイムのぶたぶた』(矢崎存美)

――――  いつかこのコロナ禍を抜けたら、太明は本当にごはん友だちを作ろうと思っていた。楽しく静かにごはんを一緒に食べるだけの友だち。一人でいい。話すことも、ごはんのことだけでいい。おいしいねって話すだけの友だち。  そんな友だちは、夢のようなものに思えるけれども――ぶたぶたが近くにいたら、そうなれそう、と思えるのだ。彼みたいな人は…

続きを読むread more

『ノクターン(夜想曲)』(佐東利穂子)

 2021年6月13日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って佐東利穂子さんのソロ公演を鑑賞しました。2019年の『泉』に続く、佐東利穂子さん自身の振付作品その第二弾です。勅使川原三郎さんは演出・照明を担当。冒頭、奥の壁に投影される光輪が銀河のように壮大に感じられてびっくり。  『泉』と違って舞台装置は使いません。ショパン…

続きを読むread more