『三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題』(浅田秀樹)

――――  日常感覚からすれば、天体の個数が「2個」と「3個」の間に、劇的に大きなギャップが存在するというのが不思議です。  実際、大昔の科学者たちも、「二体問題」が解けたのだから、「三体問題」も頑張れば(何らかのうまい数学的な操作を発見すれば)、その解は見つかるのではないかと楽観的に考えました。とくに天才数学者・科学者たちは、「俺…

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『リバー・ワールド』(川合大祐)

―――― ただの句じゃねえか脚立はただの句じゃ ―――― あばばばばバカSFに母音あり ―――― 寺のうえUFO群れたあとに闇 ―――― 明晰夢世界各地に生卵 ―――― 手鏡が雑に割られる本能寺 ―――― 魔女走るめざすは鹿の後頭部 ―――― 孤独死のたびたび起こる相撲部屋 ―――― トマト屋がトマトを売っ…

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『2010年代海外SF傑作選』(テッド・チャン、ケン・リュウ、橋本輝幸:編)

――――  現代においては、消費や読書といった個人の行動も日々ささやかに善行を積むチャンス、あるいは未来へ捧げる祈りなのかもしれない。つまり私の結論は、変わったのはSFではなく、個人の姿勢ではないかというものだ。それもまた時代と共に変わっていくのだろう。 ―――― 文庫版p.461  中国をはじめとする非英語圏SFが注目…

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