『フレドリック・ブラウンSF短編全集4 最初のタイムマシン』(フレドリック・ブラウン:著、安原和見:翻訳) 2021年03月30日 その他(SF) ―――― ブラウンの小説世界は、すでに見たように文脈から切り離された〈意味〉が浮遊し偶然によって接続される極端な観念論的世界である。そこでは事実と妄想が区別されず、もちろん自己と他者も区別されない。ゆえに、滅びゆく愚かな人類の悲惨を味わいつつ、それを観念的な高みから笑うことができるのだ。(中略)想像の世界において、人は誰でも(という… 続きを読むread more
『フローラ 花、そして花』(勅使川原三郎、佐東利穂子) 2021年03月29日 勅使川原三郎 2021年3月26日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんの公演を鑑賞しました。勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんが踊る上演時間一時間ほどの作品です。 二人のうちどちらが踊るかは日によって違うそうで、私たちが鑑賞した日は二人のデュエットでした。 舞台背景、客席から向かって右の壁面、そして床に、ぼ… 続きを読むread more
『現代音楽史 闘争しつづける芸術のゆくえ』(沼野雄司) 2021年03月26日 その他(教養) ―――― 現代音楽史を書こうとした動機はいくつかある。 まず類書がほとんどないこと。日本語で書かれた書物で21世紀までを含めて通観できるもの、それもある程度コンパクトなものが必要だと考えていた。(中略) そして、「はじめに」にも書いたが、現代音楽の世界が十分に知られていないように見えること。(中略)クンデラやゴダールには興味… 続きを読むread more