『新しい手洗いのために』(TOLTA、河野聡子)

―――― 私たちはまだ、新型コロナウイルス感染症によって生まれた「新しい社会」に適応できていません。私たちTOLTAはこの状況のなかで、誰も否定しない本をつくりたいと思いました。(中略)『新しい手洗いのために』は、手を洗うという行為についての叙事詩です。 ――――  新型コロナ禍による新しい生活習慣「手洗い」を題材に、TO…

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『ビリティスの歌』(勅使川原三郎、佐東利穂子)

――  おお、ここに ひとり悲しく。若人に かへりみられず、年老いた人も 妾を忘れ果て。あはれ この世のならひかな。けれども 妾の詠む詩は、いつかは人に知られよう、人の子の子に知られよう。  ミルタレ、タイス、グリケラも、豊かな頬の蹙む日に、わが身を語りはせぬだらう。されば後の世に生れ 恋を語らふ人々は、妾の詩を 諸声に 高く歌はう…

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