『どこにでもあるケーキ』(三角みづ紀)

―――― 花水木は、わたしの木 名前の由来になっている 満開の季節に ほこらしくて 駅前の街路樹が 四つの苞で充ちるとき すれちがうひとたちに 自慢したくなる あれは、わたしの木 庭に 桃色と白色の 花水木を植えてもらう まだまだ子供の木たち 学校へ行く前に かならず成長を確認して ぽっ…

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『ねこは るすばん』(町田尚子)

―――― ねこ、きょうというひを まんきつ。 ――――  飼い主が出掛けている間、ねこは、るすばん。とおもいきや……。  思ったより充実している猫のるすばん生活を魅力的な絵で描いた絵本。単行本(ほるぷ出版)出版は2020年9月です。 ―――― ひまでいいねと いわれるけれど、 ねこの るすばん、いそがしい。…

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『SFマガジン2020年10月号 ハヤカワ文庫SF創刊50周年記念特集』

 隔月刊SFマガジン2020年10月号の特集は「ハヤカワ文庫SF創刊50周年記念特集」でした。また『歓喜の歌 博物館惑星3』および『宇宙(そら)へ』のスピンアウト短篇も掲載されました。 『海底図書館 博物館惑星 余話』(菅浩江) ――――  それでもセイラは、時が止まったかのような深海で、ぷつん、と呟くことがある。  穏…

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