『持続可能な魂の利用』(松田青子)

――――  謙遜とか、何十年もかけて私の体に染みついてしまったものを、一つ一つ自分から剥ぎ取っていきたい。もうしたくないから。もうしたくないことがたくさんある。したいこともたくさんある。  この一ヶ月考えてきたことだけど、私、日本に帰ったら、「おじさん」を倒す。 ―――― 単行本p.159  魂は疲れる。魂は減る。 …

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『台所な脳で? Died Corona No Day』(『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』収録)(笙野頼子)

――――  フォイエルバッハは言った、台所で泣くものだけが真実を知ると。そしてまたここは華厳の場所でもある。甘さにも辛さにも原因があり、因果の連携こそが表面的な現象の本質を見抜いて勝つ、それを教える場所。腐ったもの、遺伝子組み替え、隠れモンサント、見抜こうと思ったら見てくれだけではダメ、経過、実態、そして自分のカンも、……台所そこは?…

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『体内飛行』(石川美南)

―――― (4)前回の締切からの三カ月間で自分の身に起こったことを、時系列に沿って盛り込む というルールも追加した。  実際には予定通り行ったところもあれば、行かなかった部分もあるが、このルールがなければ書き得なかった歌も少なくない。第七回で「体内飛行」というタイトルに思いがけず実人生が追いついたときには、奇妙な問いさえ頭に浮かん…

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