『世界樹の素描』(吉岡太朗)

―――― 世界樹のこれから描こうとするもんとかかれるもんのあわいに繁る ――――  アイルランドの妖精からキングギドラ菩薩まで。おやじ関西弁さえわたる歌集。単行本(書肆侃侃房)出版は2019年2月、Kindle版配信は2019年6月です。  まず最初に出会うのは、一人称「わし」に関西弁という、アイルランドのおやじ…

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『生まれ変わり』(ケン・リュウ:著、古沢嘉通・他:翻訳)

――――  かかる高評価から、日本オリジナル作品集第三弾を編む要請が出、その結果が本書である。作品選択のポイントは、選択時の最新作「ビザンチン・エンパシー」(2018年6月)までに発表された膨大な作品のなかから、これはというものを選ぶのは当然として、多少のわかりにくさがあるため、従来、選択に逡巡していたものもあえて選んだ。 ――――…

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『マネキン人形論』(勅使川原三郎)

――――  父は物質という不思議なエレメントの賛仰を切りもなくつづけた。生命のない物質は存在しない――と父は教えた――生命がないのはただの見せかけであり、その向うには生命の未知の形が隠されている。それらの形は大小、無限の規模を持ち、陰影、ニュアンスも数限りない。造物主は重要な、また興味深い様々な創造の処方を持ち合わせていた。それによっ…

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