『SFマガジン2019年6月号 追悼・横田順彌』

 隔月刊SFマガジン2019年6月号の特集は「追悼・横田順彌」でした。1月に死去した横田順彌さんを振り返ります。 『かわいた風』(横田順彌) ――――  かれがもし宇宙放浪者などではなく、地球の調査を目的とした調査隊の科学者であれば、この灰濁色の建物がこの滅びさった星の住人たちを知るために、いかに重要なものであるか理解でき…

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『2001:キューブリック、クラーク』(マイケル・ベンソン、中村融・内田昌之・小野田和子:翻訳、添野知生:監修)

――――  意識的に神話の構造をとり入れ、一人称の実験映画にこだわり、“真の”メッセージに曖昧な部分を内在させたおかげで、観客ひとりひとりが独自の解釈を投影できるようになった。この映画がいつまでも力と今日性を失わない重要な理由がそれだ。  つまるところ『2001年宇宙の旅』は、みずからの死という運命を意識している生きもの、想像力と知…

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『あの人に会いに 穂村弘対談集』(穂村弘)

――――  私が心から伝えたいことは唯一つ。「目の前に奇跡のような作品があって、この世のどこかにそれを作った人がいる。その事実があったから、つまり、あなたがいてくれたから、私は世界に絶望しきることなく、生き延びることができました。本当にありがとうございました」。  だが、そんなことを云われても、相手はきっと困惑するだろう。私のために…

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