『J・G・バラード短編全集5 近未来の神話』(J.G.バラード、柳下毅一郎:監修、浅倉久志他:翻訳)

――――  バラードの小説は自分が放り込まれた世界を解読するための重要なツールとなり、いつまでも使える道具でありつづけた。レイ・ブラッドベリの中西部的ノスタルジアも、ロバート・A・ハインラインの原リバタリアニズムも卒業したあとも、ぼくはバラードとバロウズだけは手放さず、その二人のあいだからダダイズム、シュルレアリスム、カウンターカルチ…

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『SFマガジン2018年10月号 特集・配信コンテンツの現在』

 隔月刊SFマガジン2018年10月号の特集は、配信コンテンツの現在ということで、海外ドラマをはじめとするSF映像コンテンツのガイドでした。 『冬の時代』(柞刈湯葉) ――――  ここからずっと南に行けばどこかに春の国があるらしい、ということを、ヤチダモの母からぼんやりと聞いていたからだ。  しかし、半年ほど南下を続けて…

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『オカルト・クロニクル』(松閣オルタ)

――――  デタラメや誇張、デッチ上げや捏造、それらを排した――懐疑的視点を乗り越えた先にある「本物」の探求にこそ、信奉者はタフなロマンを持ってほしい。信奉者の敵は懐疑論ではなく安易な否定論なのだから。  そのために超能力者はシノゴノ言わず検証に協力してほしいし、予言者は地震が起こる前に予言してほしいし、地球人とコンタクトしたい宇宙…

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