『科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで』(三田一郎)

――――  多くの日本人にとって、不思議なことでしょう。宇宙のはじまりにはビッグバンがあり、人類は原始的な生物から進化したことは、学校でも教えられています。なのに、なぜ彼らは、そのような神の存在を本気で信じることができるのだろう、と。  しかも、さらに不可解なことには、宇宙や物質のはじまりを研究している物理学者や、生命のはじまりを研…

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『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」』(川添愛、花松あゆみ:イラスト)

―――― 「応用上はたいしたことのない問題を、必要以上にあげつらって「難しい、難しい」と言っている」と思われるかもしれません。しかし少なくとも、「この課題をクリアしない限り、言葉を理解しているとは言えない」という、「言語学者から見て絶対に譲れないライン」は提示したつもりです。この本を通して、言語の研究者が日々どのような「怪物」を相手に…

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『うなぎばか』(倉田タカシ)

――――  祖父も、坂田さんたちも、父も母も、みんな悲しかったのだ。  ひとつの生物が絶滅するということ。  それ自体も、もちろん悲劇ではあるけれど、それによって、ひとつの文化が失われてしまうこと。幸せな思い出に彩られた、たくさんの人の営みの、足元が崩され、消え去ってしまうこと。それもまた、とても辛いことだった。その悲しみが、みん…

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