『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』(宮澤伊織)

―――― 「言えるうちに言っとかなきゃなって。ほら、何があるかわかんないじゃん」 「やめてってば。手を動かして」  私が嫌がっているのに、鳥子は話を続けた。 「あなたの人生を壊したままいなくなったら、どうなっちゃうのか心配だったけど、空魚、ちゃんとやっていける。私、ずっと見てたから」 ―――― Kindle版No.3072 …

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『スピンクの笑顔』(町田康)

――――  私にとってスピンクがいるということは大丈夫だということでした。生きるための杖でした。横を見ればスピンクがいて、笑っていたり、ふざけていたり、うまそうに食べていたり、寝そべっていたり、飛び跳ねていたりして、それによって私は生きていたのです。 (中略)  スピンクがいなくなって家の中は静かです。  静かでスカスカです。 …

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『プラスマイナス 164号』

 『プラスマイナス』は、詩、短歌、小説、旅行記、身辺雑記など様々な文章を掲載する文芸同人誌です。配偶者が編集メンバーの一人ということで、宣伝を兼ねてご紹介いたします。 [プラスマイナス164号 目次] ---------------------------------------------------------- 巻頭詩 …

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