『Hallo』(マルタン・ズィメルマン)

 2017年7月29日は夫婦で東京芸術劇場プレイハウスに行って、マルタン・ズィメルマン初のソロ作品を鑑賞しました。ズィメルマンが一人でクラウン(ピエロ)をやる70分の公演です。  スイスのアーティスト・ユニット「ズィメルマン エ ド・ペロ」については、これまでに二つの作品を観たことがあります。ちなみに来日公演鑑賞時の紹介はこちら。…

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『イリュミナシオン』(勅使川原三郎、佐東利穂子)

『ある理性に』(詩集『イリュミナシオン』収録)より ――――  おまえの指が太鼓を一打ちすると、すべての音がぶっ放され、新しいハーモニーが始まる。  おまえが一歩踏み出すと、新しい人間たちが動員され、そして彼らの進軍とあいなる。  おまえの頭が横を向く、新しい愛だ! おまえの頭が振り向く、――新しい愛! ―――― 『…

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『ピンポン』(パク・ミンギュ、斎藤真理子:翻訳)

――――  目と目の間、すなわち眉間でスイングは終わる。ひじの角度は90度、ラケットの角度は85度を維持する。スイングには腰がついてこなければならず、腰の回転は脚から始まる。動作は、水が流れるように連続していなくてはならない。これがスマッシュだ――目を閉じて僕はずっと卓球に熱中した。汗が流れはじめた。汗がもたらす空気と皮膚の間の潤滑作…

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