『初子さん』(赤染晶子)

――――  それだけではない。この劇場自体がおかしい。客は鈍い。笑わないし、理解が遅い。目を開けて寝ているのかと思う。もしかしたら放心しているのかとも思う。あの重いドアのせいである。客席の後ろのドアである。この街には昔からぬるま湯が張っている。ぬるま湯は水よりも重い。この湯の中で生きる人は湯の抵抗で動きが緩慢になる。急ぐことができない…

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『骨と空気』(勅使川原三郎、佐東利穂子)

 2025年5月4日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんが踊るアップデイトダンスNo.110『骨と空気』を鑑賞しました。私は未読ですがタイトルは自著からとっているそうです。とはいえ言葉や朗読は使わない抽象ダンス。音楽の断片を背景に二人が踊ります。ショウケースのように様々な動きが散りばめられてい…

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『ハルハトラム 7号』(現代詩の会:編、北爪満喜、白鳥信也、小川三郎、他)

 「現代詩の会」メンバー有志により制作された詩誌『ハルハトラム 7号』(発行:2025年5月)をご紹介いたします。 [ハルハトラム 7号 目次] ―――――――――――――――――――― 『春のダンス』(白鳥 信也) 『網』(楼 ミュウ) 『月が浜』(橘花 美香子) 『プラネタリウム』(長尾 早苗) 『ようかい、ト…

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